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詩羽のいるまち。

本は、読みたいと思った本のタイトルをスマホのメモに入れておき、時間があるときに図書館にないか調べる→予約する→そのうち受け取れる、という図式でだいたいルーティーンしている。

すると、その時その本が人気かどうかによって、結構タイムラグがあり、時によっては、何で読みたいのかわからない本もいくつかある。この小説も何で借りたかわからない…

 

詩羽のいる街 (角川文庫)

詩羽のいる街 (角川文庫)

 

 
本編は1話完結で4つの物語が入っており、それぞれ主人公は違うが、時系列は進んでいる、という設定。なので、後から主人公であった人がほかの話の中に出てくることもある。

その中で共通するのが「詩羽(しいば)」という不思議な女性に出会ったことでそれぞれの人生、人生観が変わってしまう、という話。それぞれの主人公は、漫画家を目指す青年、ある漫画を読んで自殺しようとする女子中学生、掲示板荒らしやちょっとした嫌がらせを生きがいにする大学教授、最後にこれらの主人公たちに(間接的に)絡んでいる女性である。

 

この詩羽という女性は、東京から1時間ほど離れたとある街で、お金、家、携帯を持たず、人に親切にすること、困っている人同士をつなぐ触媒をするお礼に食事や宿泊先を賄って生活している。それぞれの主人公だけでなく、彼女に協力し、頼る人物たちは、みんな詩羽のアンテナに引っかかり、彼女の行動を目の当りにし、驚きつつも人生の次のステップに進んでいっている、というような物語。

この「お金を持たずに暮らす」というところについては、経済・もうけ主義みたいな考え方ばかりではよい世の中にならないのでは、こういう詩羽みたいな生き方もアリだし、うまく一部を取り入れていくのもいいなと思うところであった。


全体のストーリーもよく設定が練られているし、この中に登場人物がハマっているアニメ、漫画のストーリーも登場していて、小説の中にも物語がいくつも挿入されている、ということに読み終わってから気付いた。

 

ラノベなので、さらりと読める1冊。