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風呂ソムリエ&これは経費で落ちません!

ライト文芸オレンジ文庫シリーズ

最近のは結構ファンタジー路線、キラキラ表紙が多くて、ちょっとそこまでは読み切れない。。。後宮ものも増えているが、絵が似ていて混乱するけども💦

orangebunko.shueisha.co.jp

 

さて、たまたま手に取った「風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室」

風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)

天天コーポレーション研究所の受付嬢、砂川ゆいみは風呂が大好き。銭湯で失恋の痛手を癒しているときに、入浴剤開発員の鏡美月と知り合ったことから、モニターに抜擢される。美月は営業部の円城格馬とともに、バスタオルと水着に身を包み、今日も理想の風呂を目指して研究に励む。ゆいみ、美月、格馬ははたして理想のお湯を作れるのか!?

 

天天コーポレーションは、「天天石鹸」にはじまり、入浴剤、基礎化粧品の会社。本社は東京にあり、研究所は茨城県にある。(ここでは、ほにゃらら県さくらら市の設定)

風呂が好きすぎる主人公ゆいみ、スーパー銭湯が近くにあることからここのまちに暮らすことを決めたぐらい。同じ研究所内で入浴剤を研究開発し商品化する美月にモニター抜擢されたことで、物語が大きく動く。

女子学生3人の工業大学出身で、人と関わることもほとんどなかった美月が、「かわいい」入浴剤を作るために、ゆいみの考え方や生活ぶりを体験したり(合コンとか)する姿は、熱心すぎる!

わかりにくいのが、主人公はおそらくゆいみなのだろうけど、美月や格馬視点でのエピソードもあり、わかりにくいところもあるけど…

 

とはいえ、基本的には恋愛小説なので、入浴剤の成分が、、とか詳しいところまでは出てこない。日ごろ店頭に並んでいる製品がどのような過程で商品化されていくのかという過程はわかる程度なので、そういうところは期待しない方が良い。

 

さらにドラマ化もされた「これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~」が、この風呂ソムリエ~のスピンオフだったということを知り、こちらも読み始める。

 

この経理部の森若沙名子は、入浴剤開発をする美月と同期で本社の経理部に勤めている。研究所にも経理の確認で月に一度は出張している。「森若」「美月」と呼びあい、時々一緒に飲みに行く間柄。

 

これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

森若沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができてしまい、少し迷いが生じている。ある日、営業部のエース・山田太陽が持ち込んだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。経理からは社内の人間模様が見えてくる?

 

1作目だけだと面白さがあんまりわからないけれど、2作目、3作目と読むと、沙名子に絡む人間模様がよくわかって面白い。アラサーど真ん中の沙名子、経理の仕事振りは変わらずだけど、少しずつ変わっていく。

毎作、エピローグに同じく経理部で沙名子の前の席にいる同僚の真夕視点の短編があり、真夕が沙名子の変化を少しずつ捉えている様子も楽しい。

 

とはいえ、経理部を舞台にしたOLさんの物語なので、これを読んだからといって経理のことがわかるわけではないし、沙名子が「これは経費で落ちません!」と叫びまくっているわけではない。

 

 

ストーリーは、領収証のどこで「落としどころにするか」を考えるために調べてみたら、色々なことがわかってくる、というエピソードが中心。領収証に関しての勘が鋭く働くからこそ出てきてしまうのだろうけど。。。小説の中では沙名子の考えていることが100%すべて垂れ流しではなくて、あとから文章で沙名子はそうではないかと検討を付けていた/予想していた、、、とかそういう文章が急に出てくるので、読みにくい人には読みにくいみたい。

 

沙名子は会社では個性が出ないよう制服を着ていて、一見すると地味。あえて地味にしてるというか。。。そんな沙名子の地味なこだわり、仕事ネイルと口紅の色が同じだ、ということに気づいたのが一作目のたこ焼きとテーマパークの領収証の使い方を疑われた山田太陽。

 

これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 2 (集英社オレンジ文庫)

多くの領収書を処理する沙名子には、社内の色々な人間関係が見えてくる。周囲に与えた分以上のことは期待せず、されず、精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする沙名子は、他人の面倒ごとにはかかわりたくないのだけど、時には巻き込まれることも。ブランド服、コーヒーメーカー、長期出張……それは本当に必要なものですか?

これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 3 (集英社オレンジ文庫)

経理一筋6年。仕事とプライベートはきっちり分けたいと思っている。そんな沙名子に、広報課の室田千晶が相談があると言ってきた。千晶は化粧品会社から転職してきた契約社員で、好感が持てるいい子だ。千晶が来てからは、ショールームも飾り付けられ来客も増えた。しかし彼女は、社内で浮いている。一部女子社員からは嫌われてさえいて……?

これは経費で落ちません!4 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

経理部の新入社員・麻吹美華は、なんでも率直にものを言う。オブラートに包むということがない。おかげで波風立てずに会社員生活を送りたい沙名子は、気苦労が絶えない。私生活では太陽と付き合い始めたものの、初めての恋愛にペースを乱され戸惑い気味。そんなときも、面倒事は遠慮などしてくれない。沙名子はよく知る社員同士の不倫現場を目撃してしまい…?

 4作目からは、沙名子が太陽と正式に付き合い始め、沙名子自身も少し変化していく。習慣の中に恋愛が加わったという感じで、少しずつ小さなイレギュラーを受け入れつつプライベートもさらに充実。

しかし、社内では面倒事に巻き込まれてしまうなど、なかなか落ち着かない。。。これは沙名子の頭のよさゆえなのか・・・

 

これは経費で落ちません!5 ~落としてください森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

5作目は脇役の方々それぞれが主人公のオムニパス。

前作の続きではないので、リアルタイムの人はやきもきしたかも。作者あとがき&解説あり。

普段は沙名子か太陽、そしてエピローグの真夕の視点でしか語られないので新鮮な人の物語も。本編のサイドBみたいな感じでもあり、初見でも読めるように配慮もされている。 

 

これは経費で落ちません!6 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

天天コーポレーションに企業合併の危機!? 役員秘書の有本マリナが、キャバクラでアルバイトをしているという噂を確かめるため、調査を始めた麻吹美華がとんでもない情報をつかんだ。知り合いに頼んで潜入調査で撮ってきてもらった映像のなかに、天天コーポレーションの部長三人が、企業買収の専門会社の人間と会っている場面があったのだ。会社の危機に沙名子は…?

中が悪いと思っていた部長同士が意外とそうでもなかったりしたのかな~という6作目。沙名子の周りの女子社員たちにも変化があり、また会社も変化するところ。

 

2021年現在、7作目。まだ続きそう。

これは経費で落ちません!7 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

ふたつの会社と合併することになった天天コーポレーション。経理部でも合併に向けての調整業務が発生していた。合併相手のひとつ、トナカイ化粧品でほぼひとりで経理を担ってきた槙野という童顔の男と、経理システムなどについて打合せをしていると、彼の腕時計が給料に対してずいぶん高級な物だと気付いた沙名子は…? そして沙名子と太陽との関係にも変化が!?

沙名子がどうしてイレギュラーを嫌うのかが垣間見えるところも。

将来とか、興味ないはずだったのに、変わっていく周りの人たちに気持ちがザワザワしたり、恋人との関係も変化したり。

4作目ぐらいから実家の話題がほとんどでなくなり、沙名子のプライベートはだいたい太陽と過ごしている場面になってくる。では、この先への含みを持たせた終わり方になっている。

 

***** 

 

コミカライズ化もされていて、小説の内容を上手く盛り込みながらテンポよく描かれているみたいなので面白そうだな~と思っている。Cookieで連載中(ちらっと立ち読みしたら2021年3月号は小説の6作目あたり)

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ドラマは見ていないので何とも言えない💦NHKだったんやなー。

これは経費で落ちません! DVD-BOX