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映画「カンボジアの染織物 - Cambodian Textiles -」

映画『カンボジアの染織物 - Cambodian Textiles -』自主上映会へ行ってきた

どうやら大阪最初の上映会場だったみたい

今、youtubeなど1人で動画を楽しむことができるシーンは多いけれど、この上映会では、映画を見るだけでなく「みんなで同じ映像を見て違った価値観を共有できる場」にしたいということで、監督である歌川さん自らが進行を行う

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カンボジア伝統織物を復興させた森本喜久男さんを中心にNGO「クメール伝統織物研究所(通称IKTT)」での生活が描かれたドキュメンタリー映画

若き監督、歌川達人さんがクラウドファウンティングを活用しつつ撮影&編集を手掛けてきたもの

motion-gallery.net

 

 

「クメール伝統織物研究所(IKTT)」では、伝統的な染め、織り、だけでなく

糸をつくる(つまり蚕を育て、繭を取り、糸を紡ぐ)ところから製品になるまでの全てを行っている

映画の中でも蚕が出てくるところが印象的でもある

繭をお湯で洗ったときに、出てきた蚕は子どものおやつにもなる、っていう循環

 

世界中あらゆるところに伝統的な織機を使っている人はいるけれど、多くの場合糸はマーケットから買ってきている(だいたい化繊)が、ここでは全てこの場所で作っている

 

「伝統的に「素材」を作る」ことはそうたやすいことではないんだなと感じた

 

カンボジアでも効率化の波が来ているのか現地スタッフさんの「他の仕事はたくさん捌かないと怒られる」けど「ここの仕事はゆっくり丁寧にすると森本さんが褒めてくれて嬉しい」という言葉もあり「手仕事」の理解はまず作り手から。 

また、闘病中だった森本さんの体調の変化も時折あり、ドキドキしながら見ていた

最終的に森本さんが亡くなられたのは映画の編集が終わり、完成直後のことだったそう

森本さんご自身は映画そのものは見ておられないそうだけど、その日の出来事というかたちで、撮影編集したものを細切れで見てもらっていたそうなので歌川さんの映像を全く見ていなかった訳ではなかったとのこと。デジタルのいいところ

 

上映後の質問感想コーナーでは、森喜久男さんのリアルな知人が数名参加されており、昔話やお会いした時の様子、歌川さんの撮影裏話などで盛り上がっていた

 

つい最近見た祝島の映画とも繋がってくるのが「リアリティ」

 

「リアリティ」のないままに暮らしていると、忘れがちになるけれど、どんなことも今生きている自分の暮らしに繋がっているのだ

 

3月にファッションショーと蚕供養 を行うそうなので一度行ってみたいなと思った

 古い建物ながら音響設備もよく、アットホームな雰囲気で楽しいひととき

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(写真はFBページからお借りしました)

 

■ちなみに歌川さんは2017年4月に放送された森本氏が出ている情熱大陸の撮影もされている(こちら

 

■クメール伝統織物研究所(IKTT)公式サイト

こちらの染織物はネットショッピングでも購入できる

iktt.org