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男性の集まり~男談(だんだん)~について

コミュニティに関する講演を聞いて来たのでまとめとして

河内長野市N地区「男談(だんだん)」設立と発展~

 

河内長野市について
 大阪府河内長野市は、大阪の郊外ということもあり人口が減少している。
特にN地区は郊外型ニュータウンとして比較的早くまちびらきが行われており、人口減少と高齢化が課題となっている(住宅地の人口想定1万人、ピーク時人口1.1万人→現在人口7,900人)

 

・「男談」活動の目的
定年退職したが「近所のことがわからない」「何をしたらいいかわからない」「どこに行けばいいかわからない」「やることがない」など地域と関わらず定年を迎えてしまった男性たちの行き場としての居場所づくりと、地域情報を知り地域活動につなぐための場である。
地域の中で「○○さんのご主人」「○○くんのお父さん」ではなく「○○さん」という個人と呼ばれるように。家で留守番できるように。そして地域の出来事や情報をしり、地域活動に関わってもらうように。

 


・2004年スタート
 当初の参加者は11名だったが、2017年現在300名以上の登録者(連絡先を登録してくれた人)となっている。そのうち約3分の1はN地区以外の方も
毎月2回地区の公民館で開催し、参加費100円(コーヒー代)


・なぜ男性だけなのか?
 女性がいると準備やコーヒーを注ぐなどちょっとしたことにも頼ってしまう。男性が自立をするための場としても行っているので、女性の参加は遠慮してもらっている。
とはいえ、規約なし、役員なし、会費なし、出席欠席自由、指示、命令、ノルマなし、男性なら誰でもOKと謳っている。基本的に男性は疑い深い人が多いので、すぐに飛び込んでくる人は少ない。
「定年して家にいるのが困る」「生活リズムを取り戻したい」という奥さんたちが、旦那さんに「男談に行きなさい」と言ってもらい、参加者が徐々に増えていったので、男性だけの集まりだが、女性の協力なしではここまで広がらなかった

 

・活動の内容
 会の流れは、朝9時~準備、担当者は決めず、早く来た人、動ける人がやる。最初はフリートーク、自由な席に集まる。その後お知らせやPRタイムがあり、片づけて解散となる。片付けも各自で行う。
 集まって行くと気が合う仲間ができる。サークルを作ったり、やりたい人行事を企画する(忘年会、ハイキング、ゴルフ、コンサートなど)、既存のサークルメンバーに加わるなどの広がりがある

 他に、おとなの寺子屋がくしゅう「男談塾」(歴史や趣味などお互いに学び合う場)
大切なことは、ただ集まって話をするのではなく「きょういく」「きょうよう」が重要だと思っている

教育、教養、そして今日行くところがあること、今日用事があること

 

・毎月広報誌の発行(印刷650部&メール配信)
 男性だけでなく、女性や地域の方全体に届くようにしている
 印刷は河内長野市の施設にある輪転機を使っており、紙代と製版代程度なので1回あたり約1000円、通信の内容はメールで配信(無料)、時間があるメンバーがポスティングしてくれる。人件費が無料なので成り立っている
1人で作成、発行している。本来は広報部などを作るべきなのだが、そのための会合が大変なので、1人でやってしまっているのは課題でもある

 

・継続及びメンバー増加での現在の課題
 メンバーの固定化と高齢化、いつも同じ人と集まってしまう。地域活動など次のステップに進むための通過点として欲しいと思うがその点はうまくいっていない。人数が多くなりすぎて1人1人の状況を把握できていない

 

・発足して13年が経ち、地区の状況も変わってきた

「男談」から「だんだん」
連れ合いを亡くした女性の一人暮らしが増えており、行くところがないのは男性だけではなくなってきている。女性の孤独化も地域の課題となってきている
というところから月2回開催してきた男だけのサロン「男談」を月1回にし、男女問わず誰でも参加できるサロン「だんだん」を月1回開催するようになった

 

自分自身も色々な活動に関わってきて、続いているものももちろんあるけれど、

終えたり、立ち消えてしまったものもある

 

学校など押し出し型(卒業→入学)コミュニティでもない限りは、

「メンバーの固定化」に伴う「高齢化(年齢がそのままスライドしていく)」

というのは、どんな集まりでも妨げるのは難しい気がした

 

逆にこれを利用して、この手法のようなことを真似(状況や地域によってアレンジは必要だが)していって、色々な人が実践していく方がお互いにハッピーかもしれない